Letter 医学:マラリアにおいて一時的な交叉反応性免疫応答は抗原変異を調整しうる 2004年6月3日 Nature 429, 6991 doi: 10.1038/nature02486 寄生生物マラリア原虫Plasmodium falciparumは、感染した赤血球表面上の主要な免疫ターゲットの抗原変異によって、感染期間を延ばすように進化してきた。この免疫回避戦略は、免疫学的に異なる変異体の同時出現ではなく、連続的な出現に依存している。一つの生命体が変異体を切り替える分子機構の一部は知られているが、急激に変異体レパートリーを使い尽くすのを避けるために、宿主体内の寄生虫集団全体がどのように発現を同調させうるのかについては依然不明である。本論文で我々は、寄生虫感染赤血球の表面抗原に対して部分的に交叉性のある短期的免疫応答が、連続的に優越な抗原変異体の流れを生み出し、それらが各々先行するタイプと免疫学的にもっとも異なることを示す。このモデルは、より強い交叉免疫応答をもつ個体が、矛盾するようではあるが、実は慢性感染を持続する可能性がより高いということを証明することによって、これまで解明されていなかった、一見対立しているように見える幾つかの疫学的観察結果の矛盾を解消する。抗原変異はこれまで常に、宿主防御を逃れるための寄生虫の適応と考えられてきた。我々は、この戦略の成功に必要とされる調整が宿主によって与えられている可能性があることを明らかにする。 Full Text PDF 目次へ戻る