Letter 地球:約18億年前以前におけるCO2に富む大気の存在を示す大規模菱鉄鉱層から得られた証拠 2004年5月27日 Nature 429, 6990 doi: 10.1038/nature02573 初期地球における太陽放射の弱さを補い、また液体海洋を保つために、約22億年前より以前はメタンが重要な温室効果ガスであったに違いないと一般的に考えられている。この学説は、一部の22億年前以前の古土壌における菱鉄鉱(FeCO3)の欠如を、大気中CO2濃度と関連づけた単純な熱力学的計算に基づいている。当時のCO2濃度は、充分な温室効果を単独でもたらすのに必要な濃度よりはるかに少なかったと考えられてきた。本論文では、多次元の熱力学的解析と地質学的証拠から、古土壌における菱鉄鉱の欠如が、大気中のCO2濃度を規定しないことを報告する。菱鉄鉱が各地の古土壌中に(22億年前前後の試料で)まれにしか存在しない理由は、通気のよい土壌におけるO2濃度とpH条件が、菱鉄鉱ではなく針鉄鉱などの第二鉄(Fe3+)に富む鉱物の形成に適していたことにある。一方で菱鉄鉱は地質史を通じて、嫌気性生物によってH2に富む条件がつくり出される、強還元性の海などの地表下環境で形成されてきた。18億年前以前の堆積層に大規模な菱鉄鉱層が多く存在すること、およびその炭素同位体比から、大気中CO2濃度が現在より100倍以上高く、雨水と海水が今日よりかなり酸性であったことがわかる。したがって、メタンによる寄与は大きくなく、CO2が単独で初期地球における液体海洋を保つために必要な温室効果を引き起こしていたと結論づけられる。 Full Text PDF 目次へ戻る