Letter 物理:半導体カーボンナノチューブ量子ドットにおける電子−正孔対称性 2004年5月27日 Nature 429, 6990 doi: 10.1038/nature02568 固体の光学現象や電子現象は電子と正孔(充填された電子海の非占有状態)の振る舞いが基になって起こる。フェルミ海の上に励起された電子がフェルミエネルギーより下の正孔と同じように振る舞う場合、電子‐正孔対称性という言葉でよく表現する。しかし、半導体では一般に電子‐正孔対称性は存在しない。これは、伝導バンドと価電子バンドでエネルギーバンド構造が異なるためである。本論文では、半導体カーボンナノチューブにおける電子と正孔の離散的に量子化されたエネルギースペクトルの測定結果を報告する。ゲート電極への電圧制御によって、1本のナノチューブに、1個から始めて正確な数の電子あるいは正孔を充填できた。N個の正孔を持つナノチューブの離散励起スペクトルは、対応するN電子のスペクトルと非常によく似ていた。このようにほぼ完全な電子‐正孔対称性が観測されたことから、半導体のナノチューブには、少数個の電子あるいは正孔の極限でも、帯電した不純物が存在しないことが実証できた。さらに、強い電子‐電子相互作用を示す、異常に小さいゼーマンスピン分裂と励起スペクトルを観測した。 Full Text PDF 目次へ戻る