Letter 老化:欠陥を持つミトコンドリアDNAポリメラーゼを発現するマウスで見られた早期老化 2004年5月27日 Nature 429, 6990 doi: 10.1038/nature02517 ヒト、サル、げっ歯類では、老化に伴ってミトコンドリアDNA(mtDNA)の点突然変異と欠失が各種組織で蓄積されていく。これらの突然変異の分布は均一ではなく、ある種の細胞ではクローン性の蓄積をすることがあり、このために心筋、骨格筋、脳などの組織中で呼吸鎖に欠損のある細胞がモザイク状に生じる。老化の過程に関して、この蓄積が老化を引きおこす原因となる可能性は、量が少ないことや、老化とは単なる相関関係が見られるだけであることから、激しい論争の的となっている。今回我々は、mtDNAポリメラーゼの触媒サブユニットの一つで核にコードされるPolgAがプルーフリーディング活性を欠くホモ接合ノックインマウスを作出し、この問題を検討した。本論文では、このノックインマウスがmtDNA突然変異誘発表現型を示し、mtDNAでの点突然変異が3倍から5倍に増加し、また欠失量も増大したことを報告する。この体細胞mtDNAにおける突然変異の増加は、寿命の短縮や体重減少、皮下脂肪減少、脱毛症、脊椎後弯、骨粗鬆症、貧血症、生殖力低下、心臓肥大等の老化に関連する表現型の早期発症と関連している。今回の結果は、哺乳類におけるmtDNAの変異が老化表現型の原因となるという関連を示すものである。 Full Text PDF 目次へ戻る