Letter 進化:17枚の殻板を有し連接構造のある古生代の化石は初期ヒザラガイ類がより広く多様化されたことを示す 2004年5月20日 Nature 429, 6989 doi: 10.1038/nature02548 現生ヒザラガイ類(軟体動物門の多板綱)には8枚の殻板からなる高度に保存された骨格があり、これらの周囲を骨片もしくは鱗片が取り巻いている。化石上の証拠から、ヒザラガイ類の骨格は、カンブリア紀後期(現在からおよそ5億年前)にこの綱が最初に出現して以降ほとんど変わっていないとみられている。だが、古生代産のMultiplacophoraとよばれる謎の多い分類群は、骨格が現生ヒザラガイ類より複雑であるにもかかわらず、数種類の派生的特徴をヒザラガイ類と共有している。Multiplacophoraの分類上の位置づけが決まらない原因の一部は、この仲間が保有する多数の炭酸カルシウム製の殻板からなる外骨格が、死後には通常ばらばらになるためである。インディアナ州の石炭紀層(およそ3億3,500万年前)から産出した連接構造のある新しい化石標本から、Multiplacophora類には背部体表に体を保護する構造があったことがわかる。この保護構造は、頭板と尾板、一部重なり合いながら並ぶ殻板(左右に5枚ずつ)、この左右殻板列に挟まれた中央帯に並ぶ5枚の小さい殻板、そして、これらの殻板をぐるりと取り巻く大きい棘の列からなっている。今回我々は、この連接構造のある化石標本について記載し命名して、Multiplacophora類がヒザラガイ類である証拠を示す。現生ヒザラガイ類の高度に保存された体制からは、古生代にこのクレードがもっていた広範な多様性をうかがい知ることはできない。 Full Text PDF 目次へ戻る