Letter 発生:Znトランスポーター LIV1 はゼブラフィッシュの原腸胚オーガナイザーにおいて上皮-間葉転換を制御する 2004年5月20日 Nature 429, 6989 doi: 10.1038/nature02545 脊椎動物の原腸陥入はボディプランの確立において必須の過程である。原腸陥入時に上皮-間葉転換 (EMT) が起こる。EMT は胚発生、器官や組織の再生、癌転移における中心的な現象の一つである。STAT (Signal transducers and activators of transcription) はサイトカインや成長因子に対する応答において細胞の増殖や分化、生存といった生物学的機能を仲介し、様々な生物学的現象で働く。また STAT は原腸陥入や器官形成、創傷治癒、癌の進行時の EMT にも重要である。我々は以前、STAT3 がゼブラフィッシュの原腸陥入時にオーガナイザー領域で活性化され、その活性が原腸陥入運動に必須であることを示した。このSTAT3 の働きは原腸胚オーガナイザー細胞の前方への遊走には細胞自律的であり、近隣細胞の集合に対しては細胞非自律的である。しかしながら EMT において STAT が働く分子機構は不明である。本研究において我々は乳癌に関連するZnトランスポータータンパク質 LIV1 を STAT3 の下流標的因子として同定した。LIV1 の機能はゼブラフィッシュ原腸胚オーガナイザーの EMT における STAT 3の細胞自律的役割を担うのに必要十分である。さらにLIV1は EMT の主要制御因子である Zn フィンガータンパク質 Snail の核局在にも必須である。これらの結果は EMT における STAT3、LIV1、Snail の相互作用を分子レベルで明らかにするものである。 Full Text PDF 目次へ戻る