Letter 植物:ケシ類の花粉では自家不和合性が引き金となってプログラム細胞死が起こる 2004年5月20日 Nature 429, 6989 doi: 10.1038/nature02540 多くの被子植物の有性生殖では自家不和合性(SI)が見られ、同系交配を防ぐ最も重要な機構の1つとなっている。SIはS遺伝子座によって制御されており、受粉の際に、花粉とそれがついた雌ずいとの間で特異性の高い相互作用が起こる。その結果、不和合性(自己)の花粉は拒絶され、和合性(非自己)の花粉は受精に至る。ヒナゲシPapaver rhoeasでは、S遺伝子座の柱頭で発現する遺伝子にコードされたSタンパク質が不和合性の花粉に結合してCa2+依存性のシグナル伝達系群が活性化されると、花粉管の成長が阻害される。プログラム細胞死(PCD)は、多くの生物で好ましくない細胞を厳密な制御の下で破壊するために使われる仕組みである。今回我々は、自家不和合性を示す花粉では、SIがS特異的にPCDを引き起こすことを明らかにする。これによりSI系がPCDを使うことが実証され、自家受粉を防ぐまったく新しい機構が明らかになった。さらに今回のデータによって、この応答が二相性を示すこともわかった。花粉管の成長阻害が速やかに起こり、その後にPCDが起こって「意志決定」段階となり、阻害を不可逆なものにするのである。 Full Text PDF 目次へ戻る