Letter 遺伝:哺乳類の高活性合成レトロトランスポゾン 2004年5月20日 Nature 429, 6989 doi: 10.1038/nature02535 LINE-1(L1)因子は、哺乳類ゲノムのかなりの部分を占めるレトロトランスポゾンである。L1のオープンリーディングフレームを介した転写は、伸長に問題があるため効率が低く、レトロ転位のための基質と酵素であるL1 RNAとL1タンパク質の活発な発現が阻害されている。おそらくこの転写伸長の異常が、哺乳類細胞におけるL1の転位頻度を調節しているのだろう。本論文では、アミノ酸配列を変えないように塩基配列を24%変更した合成オリゴヌクレオチドを用いてL1オープンリーディングフレームを合成し、この転写伸長の異常を回避したので報告する。このような再合成によって、L1 RNAとL1タンパク質の存在量が大幅に上昇して安定した。レトロ転位検出法として確立された方法で調べたところ、この合成オープンリーディングフレームを野生型オープンリーディングフレームと置き換えると、転位頻度が200倍以上に上昇した。このことからわかるように、L1のコード領域内には、レトロ転位に必要な厳密に保存された大きいシス作動性配列は存在しないらしい。また、これらの合成レトロトランスポゾンは、既知のものの中で最も活動性の高いL1因子であり、哺乳類ゲノムの操作に役立つ実用的な手段となる可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る