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海洋:鉄が引き起こした亜寒帯における植物プランクトンブルームの衰退と行方

Nature 428, 6982 doi: 10.1038/nature02437

鉄の供給は、高硝酸塩低クロロフィル海域で植物プランクトンの増殖を促進してブルームを形成するのに中心的な役割を果たす。しかしながら、このブルームによって固定される炭素の行方と炭素が海洋深層に移送される効率については、ほとんど分かっていない。本論文では、アラスカ湾において人為的な鉄供給によって形成された珪藻ブルームの衰退過程と炭素の行方について報告する。まず鉄が消費され、次いでケイ酸が枯渇した18日目にブルームが終了し、その後6日間にわたって表面混合層内の粒子状有機炭素(POC)の濃度の減少がみられた。珪藻の沈降による粒子状シリカの下層への移出の増加は、21日目以後に深度50 mと125 mに設置したセジメントトラップに捕らえられたが、POCの移出の増加は24日目までははっきりとは見られなかった。セジメントトラップによって捕集されたのは表面混合層のPOCのごく一部に過ぎず、表面混合層のPOCの消失の半分以上は、バクテリアによる分解とメソ動物プランクトンの摂食によるものである。表層でのケイ酸の枯渇と、鉄によって増加したPOCの永年水温躍層以深への移送効率の低さは、過去の地質時代において鉄の供給が多かった時期の生物地球化学的解釈と、海洋の炭素隔離を促進方策として提案されている地球工学的スキームの両方に重要な示唆を与える。

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