Letter

進化:シダ類は被子植物の陰で多様化した

Nature 428, 6982 doi: 10.1038/nature02361

白亜紀における被子植物の隆盛と時を同じくして、シダ類など種子をつくらない多くの維管束植物の多様性や個体数が激減したと説明されることは多い。このことから、シダ類はかつて陸上生態系の主要な構成要素だったが、生態的に優勢な被子植物に負けて、今は古生代後期/中生代前期からの進化の遺物に近い存在だとする見方が広まることとなった。しかし第三紀前期の化石記録に現生シダ類の多くの属が初めて出現することから、また別の進化の筋書きが考えられる。すなわち、現生シダ類の大部分は古生代後期/中生代前期よりずっとあとに多様化したとする筋書きである。だが、白亜紀のシダ類化石の系統分類解析が進んでいないため、古植物学の証拠だけでシダ類の多様化と進化の動向を完全に解明することはできずにいる。今回我々は、化石記録の再評価から得た制約と分子データとをもとにシダ類と被子植物についてそれぞれの分岐の年代を算定した。そして、白亜紀にウラボシ科を含むpolypod(多足)とよばれるシダ類の一群(現生シダ類種の80%以上を占める)が、被子植物のあとに多様化したことを示す。このことから、被子植物が陸上生態系で支配するようになるにつれて、シダ類はおそらく被子植物の多様化に対して日和見的に生態的対応をしていったことが示唆される。

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