Letter 生理:Bmi1は小脳の発生に不可欠でありヒトの髄芽腫で過剰に発現している 2004年3月18日 Nature 428, 6980 doi: 10.1038/nature02369 ポリコウム遺伝子群のBmi1の過剰発現は、Cdkn2a(ink4a/Arfとも呼ばれる)腫瘍抑制遺伝子の発現を抑制することで細胞増殖を促進し、白血病を誘発する。逆に、Bmi1が欠失すると、ink4a/Arf遺伝子座の抑制解除が密接に関与する血液学的障害や重篤な進行性の神経学的異常が起こる。本論文では、マウスおよびヒトの増殖中の小脳前駆細胞でBmi1が著しく発現していることを報告する。Bmi1ヌルマウスを用い、我々は顆粒前駆細胞のクローン増殖にBmi1がin vivoならびにin vitroで重要な役割を果たすことを証明する。ソニックヘッジホッグ(Shh)情報伝達経路の活性化によってこの前駆細胞が調節を受けずに増殖すると髄芽腫の発症につながる。さらに我々は、ヒトの原発性髄芽腫の大部分において、SHH経路の活性化を示唆するBMI1とpatched(PTCH)の関連した過剰発現がみられることも明らかにする。小脳顆粒細胞培養においてShhの添加あるいはShhの標的であるGli1の過剰発現によって、Bmi1の発現が速やかに誘導されることと共に、今回の結果は、BMI1の過剰発現が髄芽腫発症の既知の機構に代わる機構あるいは付加的な機構であることを示しており、Bmi1を含むポリコウム複合体が小脳前駆細胞の増殖に果たす役割を強調している。 Full Text PDF 目次へ戻る