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気候:寒冷な気候における極域海洋の成層

Nature 428, 6978 doi: 10.1038/nature02357

低緯度の海洋は、表面海水が温かいため安定した成層をしている。その結果、深海の大量の海水は極域の海面を通して大気と接触する。現在の冬季の極域海洋では、淡水(塩分の少ない海水)が塩分の濃い海水の上に位置する塩分の鉛直分布により成層が安定する一方、冷たい海水が暖かい海水の上に位置する水温の鉛直分布により上下転覆を起こしやすい。しかしながら、氷結温度に近づくにつれて海水温の変化による海水密度変化が小さくなり、これが寒冷な気候のもとでは全球規模の海洋の循環にも影響を与える可能性がある。今回我々は北太平洋の亜寒帯と南大洋における深海の生物起源のオパールの堆積と沈殿物の窒素同位体組成の記録を示す。これらの記録は、鮮新世末期の地球規模の寒冷化にともなって北半球の氷河期が強まった270万年前に、南北半球の高緯度地域で鉛直成層が強まったことを示している。我々は、極域海洋の密度構造において、塩分の鉛直分布による成層の安定化とは逆向きに働く温度の果たす役割が弱まることによって、地球の寒冷化が極域海洋の成層の強化を引き起こしたと考える。極域海洋における270万年前の成層強化は深海に閉じ込められる二酸化炭素の量を増加させ、地球の寒冷化を増幅したのかもしれない。

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