Letter 視覚:方向性のある地面情報の統合過程によって正確に知覚される距離 2004年3月4日 Nature 428, 6978 doi: 10.1038/nature02350 他の手がかりなしに対象までの絶対的な距離を見積もることは、2〜3mまでが限度である。しかし、平らな地面という参照物とともに対象を見た場合、人間は対象の絶対距離を20mまで正確に判定することができ、この能力は多くの行動にとって重要である。今回我々は、この判定が局所的なパッチ状の地面の情報を継ぎ合わせて大きな参照表面の枠を作ることで達成されるという証拠を示す。まず、観察者に視界中の視野を、対象物の周囲だけに限定して示した場合、距離は小さく見積もられる。これは、正確な距離判定には比較的大きな地面が必要であることを示している。次に、仮に視野が限定されても、地面の一部を少しずつ近くから遠くへの順で(逆では無効)走査することができれば正確な判定が可能なことから、表面の継ぎ合わせを用いていることが分かった。この知見から、表面の統合過程が、近い地面の情報を表面の表現の基準に用い、それを対象周囲のより遠い地面まで外挿していくことで、正確な絶対距離計算を行っていることも明らかになった。 Full Text PDF 目次へ戻る