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生態:サンゴの粘液はサンゴ礁生態系でエネルギー輸送体および粒子捕捉装置として機能する

Nature 428, 6978 doi: 10.1038/nature02344

造礁サンゴの内部共生藻類である褐虫藻はサンゴ礁の大量の総一次生産に相当度貢献しているが、サンゴは共生している褐虫藻が同化した炭素の半分までもを粘液として放出させている。本論文では、サンゴから放出された粘液が、海水柱から有機物を効率よく捕捉し、生物触媒的な無機化フィルターとして働く礁湖堆積物まで、エネルギーや栄養物を迅速に運ぶことを示す。グレートバリアーリーフでは、造礁サンゴを優占するミドリイシ属(Acropora)が、1平方メートルのサンゴ礁域で1日あたり最大4.8リットルの粘液を放出する。この粘液の56〜80%はサンゴ礁の海水中に溶解し、この海水が礁湖の砂で濾過される。ここでサンゴの粘液は1時間あたり少なくとも7%の代謝回転率で分解される。サンゴから離れた非溶存態の粘液は懸濁した粒子を捕捉して、最初の有機炭素や窒素含有物を2時間以内に1,000倍まで増加させる。これらの粘液の集合体は潮流によって礁湖に集まり、すみやかにここに沈殿する。サンゴの粘液は、褐虫藻に取り込まれた光エネルギーや捕捉した粒子を、従属栄養のサンゴ礁群集に提供し、そうすることで底生生物を支える物質循環を成り立たせており、また一方でサンゴ礁生態系からのエネルギーや栄養物の損失を少なくしている。

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