Letter 生態:セストン中の不飽和脂肪酸含量と湖沼における栄養動態的カップリング 2004年1月1日 Nature 427, 6969 doi: 10.1038/nature02210 食物網の相互作用を制御する因子を決定することは、生態学における重要な問題である。湖沼の栄養塩負荷(リン総量)と植物プランクトン現存量(クロロフィルa)が関連するという観察結果は30年ほど前に得られており、表層水質を管理する上で重要である。バイオマスおよびエネルギーが食物網を移動して高次栄養段階(魚類など)の生産を維持する効率は、栄養塩負荷量および系の生産力の上昇につれて低下するが、この基盤となる機構はほとんどわかっていない。本論文では、夏期には、セストン(水中微粒子状物質)中で動物プランクトンにとって重要な特定のω3-多価不飽和脂肪酸(ω3-PUFA)の量が湖沼の栄養状態と有意に関連していることを示す。ω3-PUFAであるオクタデカテトラエン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸は、リン総量の増加とともに両対数スケールで減少するが、α-リノレン酸は減少しない。本論文では、炭素に対するEPA含量(EPA:C)とリン総量の間で観察によって得られた関連性と、EPA:Cをミジンコの成長および卵生産に関連づける機能モデルとを併用することで、この重要な消費者の二次生産を予測する。湖沼の生産力上昇時のエネルギー移動効率の低下は、植物と動物の接点におけるω3-PUFAが関わる食餌の質の差で説明できる。 Full Text PDF 目次へ戻る