Volume 418 Number 6895

今週のハイライト

目次

News & Views

量子物理学:もつれの残存

Quantum physics: Survival of the entangled p.281

量子レベルでは常識に合わないことがしばしば起こる。例えば、お互いの状態を「知っている」らしいもつれた光子のペアの存在だ。もつれは、これまで考えられていた以上に強靭なものかもしれない。

doi: 10.1038/418281a

発生生物学:決定の条件

Developmental biology: Decisions, decisions! p.282

初期胚の細胞は、分化して特定の体細胞になることもできるし、卵または精子の前駆細胞となることもできる。哺乳動物でこの重要な決定はどのようにして下されるのか、その仕組みはわかっていないのだが、新たな研究により我々はその答に一歩近づいたようだ。

doi: 10.1038/418282a

集団遺伝学:マラリアファイル

Population genetics: Malaria variorum p.283

マラリア原虫は、意外にも多様であることが遺伝学的研究により明らかになった。その上、世界で広く使われている抗マラリア剤に対する耐性に関わっている1つの遺伝子に起こった変異の起源は、複数でしかもそれぞれが独立していることがわかったのである。

doi: 10.1038/418283a

材料科学:塑性を解明するパラメータ

Materials science: Plastic parameter p.285

材料に応力がかかると、永久的な変形を起こすことがあるが、その際の原子レベルでの構造変化を正確に推測することは難しい。このほど発表された強力なパラメータを使ったモデルによって明確な推測が可能になるかもしれない。

doi: 10.1038/418285a

細胞生物学:変わった食細胞

Cell biology: The extraordinary phagosome p.286

小胞体と呼ばれる細胞内構造が、細胞膜と合体することがあるという発見は意外なものだ。これは、細胞の構造に関する従来の知見からは予想できなかったことといえる。

doi: 10.1038/418286a

長命:息を止めてはいけません

Longevity: Don't hold your breath p.287

ある種の生物では、食餌のカロリーを減らすと寿命が延びる。酵母を使った実験の結果によって、この現象の仕組みだと従来考えられてきたものが怪しくなってきた。

doi: 10.1038/418287a

Article

発生:マウスの生殖細胞運命を決める分子プログラム

A molecular programme for the specification of germ cell fate in mice p.293

doi: 10.1038/nature00927

Letters

宇宙:活動銀河核から発生する高温プラズマの泡はクーリングフロー銀河団の熱源と考えられる

Hot bubbles from active galactic nuclei as a heat source in cooling-flow clusters p.301

doi: 10.1038/nature00857

物理:もつれた光子のプラズモン支援透過

Plasmon-assisted transmission of entangled photons p.304

doi: 10.1038/nature00869

物理:結晶における弾性限界と初期塑性を支配する原子論的機構

Atomistic mechanisms governing elastic limit and incipient plasticity in crystals p.307

doi: 10.1038/nature00865

地球:シャッターコーンの原因となる巨大な地球外物質の衝突による動的破壊

Dynamic fracture by large extraterrestrial impacts as the origin of shatter cones p.310

doi: 10.1038/nature00903

生態:冬眠型哺乳類の分布に対するエネルギー的制約への気候の関与

Climate-mediated energetic constraints on the distribution of hibernating mammals p.313

doi: 10.1038/nature00828

海洋:海藻に見られるDMSPおよびDMSに関する抗酸化機能

An antioxidant function for DMSP and DMS in marine algae p.317

doi: 10.1038/nature00851

遺伝:マラリア原虫Plasmodium falciparumの遺伝的多様性とクロロキン選択的な急速な蔓延

Genetic diversity and chloroquine selective sweeps in Plasmodium falciparum p.320

doi: 10.1038/nature00813

遺伝:染色体全体のSNP解析から明らかになったマラリア原虫Plasmodium falciparumの起源の古さ

Chromosome-wide SNPs reveal an ancient origin for Plasmodium falciparum p.323

doi: 10.1038/nature00836

神経:協調的長期増強の機構としての樹状突起スパイク

Dendritic spikes as a mechanism for cooperative long-term potentiation p.326

doi: 10.1038/nature00854

生理:線虫C. elegansの触受容器ニューロンで発現する遺伝子類の同定

Identification of genes expressed in C. elegans touch receptor neurons p.331

doi: 10.1038/nature00891

神経:C2A領域でのCa2+結合に依存せず伝達物質放出を促進するシナプトタグミンIとIV

Synaptotagmins I and IV promote transmitter release independently of Ca2+ binding in the C2A domain p.336

doi: 10.1038/nature00915

神経:生体でのシナプス伝達に必要なシナプトタグミンC2B領域のCa2+結合モチーフ

The C2B Ca2+-binding motif of synaptotagmin is required for synaptic transmission in vivo p.340

doi: 10.1038/nature00846

細胞:カロリー制限は呼吸の比率を高めて出芽酵母の寿命を延ばす

Calorie restriction extends Saccharomyces cerevisiae lifespan by increasing respiration p.344

doi: 10.1038/nature00829

Adenovirus oncoproteins inactivate the Mre11?Rad50?NBS1 DNA repair complex p.348

doi: 10.1038/nature00863

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