Letter 海洋:海藻に見られるDMSPおよびDMSに関する抗酸化機能 2002年7月18日 Nature 418, 6895 doi: 10.1038/nature00851 海藻の浸透圧調節物質であるジメチルスルフォニオプロピネート(DMSP)とこの酵素的開裂を受けた生成物であるジメチルスルフィド(DMS)は、全球的硫黄サイクルに大きく寄与しているが、それらの生理的機能ははっきりしていない。本論文では、以前の研究結果と合わせて、DMSPとその分解生成物(DMS、アクリル酸塩、ジメチルスルフォキシドおよびメタンスルフィン酸)が水酸基およびその他の活性酸素種を容易に除去することを明らかにする。その結果、DMSPとその分解生成物は、DMSPの酵素的開裂によって部分的に制御される抗酸化系として働くと考えられる。我々は、酸化ストレッサーである太陽からの紫外線放射、CO2あるいはFeが制限条件となる状況、高濃度のCu2+およびH2O2が、培養海藻細胞内のDMSPの濃度またはそのDMSへの分解を大きく増加させたことを見出したが、このことは、上記の考えを裏づけるものである。我々の結果は、このようなストレッサーと海産植物プランクトンのDMSPおよびDMSの動態との間には直接の結び付きがあり、そのことが、DMSの生成とその大気への放出におそらく影響することを示している。大気中のDMSが酸化されて硫酸になることが、硫酸塩のエーロゾルと雲の凝結核の主要な生成因となるので、太陽放射とFeによる制限を含む酸化ストレッサーが、全球的な気候および水循環に影響する複雑な海洋―大気フィードバックループに関係しているのかもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る