Letter 物理:もつれた光子のプラズモン支援透過 2002年7月18日 Nature 418, 6895 doi: 10.1038/nature00869 2粒子系の量子力学波動関数が2つの1粒子波動関数に因数分解できないとき、この系の状態はもつれていると言われる。このことから、量子力学の最も直感に反する特徴の1つ、すなわち非局所性が導かれる。量子もつれの実験での実現は、光子では比較的簡単だ。最初は1個だった光子が、非線形結晶の内部で自発的に一対のもつれた光子に分かれうる。今回我々は、ナノ構造をもった金属光学素子の、もつれた光子の特性に対する効果を研究した。そのため、2個のもつれた光子の各経路に、波長より小さい孔を周期的な配列で開けた光学的に厚い金属膜を置いた。このような配列により、光子は表面プラズモン波(光学的に励起された圧縮電荷密度波)に変換されて孔を通り抜け、膜の向こう側で再び光子として放射される。そのような変換過程を経てももつれが残っているかどうかという問題に我々は取り組んだ。我々の同時計数測定により、もつれが残ることが示され、表面プラズモン波が真の量子性をもつことが明らかとなった。一方の光子ビームの焦点を孔の配列の位置に合わせると、もつれの質が低下する。実際上、表面プラズモンの伝播により、孔の配列は「どちらの経路か」の検出器として働く。 Full Text PDF 目次へ戻る