Letter

神経:C2A領域でのCa2+結合に依存せず伝達物質放出を促進するシナプトタグミンIとIV

Nature 418, 6895 doi: 10.1038/nature00915

神経軸索の末端では、細胞内Ca2+が局所的かつ一時的に上昇することで伝達物質を充填した小胞の細胞膜への融合が始まる。Ca2+を検出し引き金を引く分子の候補として、これまでもっとも詳細に調べられているのは、シナプトタグミンIである。この分子がCa2+依存的に酸性リン脂質およびシンタキシンと相互作用するのは、C2A領域を介してで、C2B領域はCa2+を結合するものの無関係と考えられている。しかし、シナプトタグミンIの遺伝的解析では、これがCa2+を検出して融合の引き金となる分子であるかどうかは判然としていない。また、シナプトタグミンIのイソ型分子でC 2A領域でのCa2+結合のないシナプトタグミンIVは、開口放出の抑制分子である可能性がある。今回、シナプトタグミンIのC2A領域でCa2+結合に必要なアスパラギン酸残基に変異を導入し、シナプトタグミンIを欠損したショウジョウバエに発現させたところ、結合部位が破壊されているにもかかわらず、伝達のCa2+依存的性質に変化は見られなかった。また、シナプトタグミンIVがIの機能を代替可能であることもわかった。したがって、シナプトタグミンのC2A領域はCa2+に依存したシナプス伝達にとって必要でないこと、そしてシナプトタグミンIVは伝達の抑制ではなく促進に働くことが明らかになった。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度