Nature ハイライト

微生物学:ミトコンドリアの祖先を再検討する

Nature 557, 7703

真核細胞の進化における重要な出来事は内部共生細菌の獲得であり、これが最終的にミトコンドリアになったとされている。ミトコンドリアは、細胞内寄生体であるリケッチア目の細菌、またはその他のアルファプロテオバクテリアであると考えられている。しかし、最初期の化石真核生物は約20億年前のものであり、分岐からは非常に長い時間が経過しているため、長枝誘引(long-branch attraction;LBA)に関する多くの問題があることが示唆される。また、その後の進化による形質転換は、特に細胞内寄生体に対してヌクレオチド組成バイアスの変化を引き起こした。そのため、ミトコンドリアとリケッチア目細菌との間の類似性の一部は収斂である可能性がある。しかし、これまで行われた比較研究では、農業的あるいは医学的に重要な細菌が用いられる傾向があり、まだ採取されていない膨大な数の多様な微生物の中に真の答えがある可能性は検討されていない。今回T Ettemaたちは、海洋表層水由来のメタゲノムで探索を行い、既知のアルファプロテオバクテリアのゲノム試料が大幅に増えた。モデル化からは、ミトコンドリアとリケッチア目細菌との間の近縁性が除外され、ミトコンドリアの祖先がアルファプロテオバクテリアであるとすれば、非常に初期に分岐した絶滅系統に由来することが示唆された。

2018年5月3日号の Nature ハイライト

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