Nature ハイライト

Cover Story: 持ち札を切り混ぜる:擬態の達人であるチョウが「超」遺伝子を使って複数の翅のパターンを切り替える仕組み

Nature 477, 7363

南米の森林に広く生息する有毒なヌマタドクチョウ(Heliconius numata)は、捕食者からさらに有効に身を守るために、別の亜科の有毒なチョウ(Melinaea属)の複数種の翅のパターンを擬態している。「ミュラー擬態」のこの例は、典型的な「超遺伝子」、つまり通常は1つの単位として遺伝する強固な遺伝子集団の制御下にある。ヌマタドクチョウはとりわけ擬態がうまく、7種類もの翅のパターンを模倣できる。ヌマタドクチョウの個々の翅のパターンのモルフ(同一種内の変異型)に関する研究から、別の近縁種では自由に組み換えが生じる遺伝子座間の遺伝的連鎖が、単一の超遺伝子座Pに生じたさまざまなゲノム再配列によって強化されていることがわかった。こうしてできた超遺伝子はシンプルなスイッチとして作動し、一度スイッチが入ると、このチョウが示す一連の複雑な適応表現型の中の1つが選ばれる(Letter p.203)。表紙は、フランス領ギアナで撮影されたヌマタドクチョウ(左上)とMelinaea mneme(右下)。

2011年9月8日号の Nature ハイライト

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