Nature ハイライト

Cover Story:脳での遺伝子発現:ゲノム規模の遺伝子発現アトラスが作られた

Nature 445, 7124

神経科学と遺伝学の両方にかかわる最先端の成果が発表された。マウスのゲノム中のおよそ20,000個の遺伝子すべての発現に関する地図が、脳の主な構造全体にわたって、細胞レベルの分解能で作成されたのである。これはアレン脳アトラス(Allen Brain Atlas)計画の一部であり、Leinたちはこのデジタルアトラス(http://www.brain-map.orgで公開)の作成について述べ、脳の構造についての従来の知見を裏づける、あるいはそれに疑問を投げかけるような遺伝子発現パターンを報告している。アトラスには、各遺伝子と脳領域についてのin situ画像とシグナル強度をカラー段階表示した「ヒートマップ」などが含まれている。脳では限られた数の遺伝子しか発現していないだろうという予測に反し、マウスの全遺伝子の約80%が発現している。遺伝子シグナルの70%は全脳細胞の20%以下に局在していることから、ほとんどの遺伝子は脳の狭い領域に限定されて発現していると考えられる。表紙画像はChris Lau(Allen Institute for Brain Science)。[Article p.168, N&V p.160]

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