Nature ハイライト

Cover Story:脳の発生・発達:成長する脳における細胞の分布と多様性をマッピングする

Nature 647, 8088

我々が情報を処理して、複雑な感情や行動、意思決定を生み出す能力は、ヒトの脳を構成する多様な細胞タイプに依存している。脳の発生・発達過程で起こる分子・細胞レベルの事象を解明することは、この多様性を生み出す機構を明らかにするだけでなく、自閉症や統合失調症のような神経発達障害でこの過程がどのように異常を来すのかを解明する手掛かりとなる。今週号では、BRAINイニシアチブ細胞アトラスネットワーク(BICAN)が、成体マウス、非ヒト霊長類(NHP)、ヒト脳における細胞タイプのアトラス作成というこれまでの研究を基に、発生・発達過程にあるヒト、マウス、NHPの脳の細胞タイプアトラスを発表している。一連の論文(うち9編がNatureに掲載)において、研究者たちはヒトと動物の脳の発生・発達過程においてさまざまな細胞タイプが出現する複雑なプログラムを解明し、これによって、ヒトと動物に共通した特性とヒト特有の特性の両方が明らかとなった。最新の研究成果と今後の研究の方向性は、T NowakowskiたちによるPerspectiveで総括されている。

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