Nature ハイライト

Cover Story:ヒトデのシステム:遺伝子パターンから明らかになった棘皮動物のボディープランの進化

Nature 623, 7987

動物の大半の体は左右対称で、一方の端に頭が、もう一方の端に尾があり、単一の対称軸が上から下へ走っている。しかし、ヒトデやウニなどの棘皮動物は異なっていて、中央の口から5本の腕が放射状に伸びるという、5回対称性を持つ。今回L Formeryたちは、この独特なボディープランがどのように進化したかを明らかにしている。著者たちは、RNAトモグラフィーを用いてイトマキヒトデ属のヒトデPatiria miniata(表紙)の遺伝子発現パターンをマッピングした。その結果、各腕の正中線に沿って頭部様の構造に関連する遺伝子が発現しており、各腕の側部に並ぶ小さな管足には尾様の構造に関連する遺伝子が発現していることが分かった。また、ヒトデには、左右対称の生物で胴体を規定している遺伝子がなかった。結果として、著者たちは、棘皮動物はほぼ頭のような動物であると示唆している。

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