Nature ハイライト

Cover Story:スワヒリ人の祖先:中世のDNAによって明らかになったアフリカ東部沿岸におけるアフリカ人とアジア人の交わり

Nature 615, 7954

アフリカ東部のスワヒリ海岸に住んでいた中世の人々は、サハラ以南で初めてイスラム教徒となった。今回D ReichとC Kusimbaたちは、中世および近代(1250〜1800年)のスワヒリ海岸沿いの石造りの6都市に埋葬されていた人々など、計80人から得られたDNAの塩基配列を解読した。分析によって、1000年以前に東アフリカ沿岸部に沿って、アフリカ人女性とアジア人男性の間で混血が始まり、最初期のアジア人移住者の大半がペルシア系であったことを明らかにしている。こうした知見は、スワヒリ海岸の人々によって語り継がれてきた最古の物語である「キルワ年代記」とも一致する。最初期のアジア人移住者の祖先系統は、約10分の1がインド起源であった。表紙は、1896年に撮影されたザンジバルのスワヒリ人女性の写真を基に作成したものである。衣服の織物パターンは、DNA、中世の通商を示すダウ船、文化的影響を示すイスラムのシンボルなど、今回の論文の主題を反映するように描き直されている。

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