Nature ハイライト

Cover Story:視覚的誇示:翼竜類が色のついた羽毛を使って視覚でコミュニケーションをしていたことを示唆する化石

Nature 604, 7907

<i>Tupandactylus imperator</i>の想像図。
Tupandactylus imperatorの想像図。 | 拡大する

Credit: Bob Nicholls

表紙は、トゥパンダクティルス類の翼竜Tupandactylus imperatorの想像図である。羽毛のある翼竜類はこれまでにも報告されているが、こうした主張には異論があり、革状の翼を持つ翼竜類に現代の鳥類のようなさまざまな色の羽毛があったかは明らかになっていない。今回A Cincottaたちは、翼竜類に羽毛があっただけでなく、おそらくその羽毛にはさまざまな色がついていたことを示す証拠を提示している。著者たちは、ブラジルで発見された約1億1300万年前のトゥパンダクティルス類の部分的な頭蓋を調べた。その結果、とさかの基部に沿って2種類の羽毛が見いだされ、その1つには現代の鳥類の羽毛に非常によく似た分岐構造の特徴があることが分かった。さらに、両方の種類の羽毛ととさかの皮膚に、色素を作る細胞小器官が存在することも明らかになった。著者たちは、こうした色のついた羽毛は視覚的なコミュニケーションに使われたと思われ、トゥパンダクティルスにおけるそうした羽毛の存在によって、羽毛の色を操作する能力の起源がこれまで考えられていたよりさらにさかのぼることが示されたと示唆している。

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