環境科学:干ばつによって増幅される、人間活動が駆動するアマゾンの炭素放出
Nature 658, 8138 doi: 10.1038/s41586-026-11168-1
森林伐採、高木の枯死率の上昇、気候変動によって、湿潤熱帯林を維持する気候条件が損なわれているため、アマゾンの炭素シンクは弱まりつつある。森林の喪失は降水量を減少させ、気温を上昇させ、乾季を長期化させることで、炭素放出を増大させる。森林伐採が進んだ地域ほど気候ストレスが強く、森林は次第に燃えやすくなる。エルニーニョなどの大規模な気候事象は、地域気候への影響をさらに増幅する。今回我々は、大気中CO2の測定から得られた、アマゾン川流域の15年間の炭素フラックスの解析結果を提示する。炭素収支は0.32 ± 0.08 PgC yr−1と算出され、火災が主要な放出源(0.40 ± 0.07 PgC yr−1)となっており、森林による取り込みでは放出を相殺することがますます困難になっていた。さらに我々は、アマゾン川流域の炭素放出の主要な駆動要因を調べ、3つの異なる年グループを特定した。グループ1(2011~2014年、2017年、2018年)は、森林伐採、バイオマス燃焼、森林劣化などの人間活動が少なく、より湿潤な年における、全球の炭素収支に対するアマゾンの寄与(0.11 ± 0.08 PgC yr−1)を表している。グループ2(2019~2022年)は、気候ストレスが低い年に、主に森林伐採と森林劣化といった人間活動によって生じたアマゾンの炭素放出(0.43 ± 0.13 PgC yr−1)を表している。グループ3(2010年、2015年、2016年、2023年、2024年)は炭素放出が最も多く(0.49 ± 0.07 PgC yr−1)、エルニーニョや熱帯北大西洋の温暖化などの影響を受け、バイオマス燃焼が関連する、温暖で乾燥した、気候ストレスが高い年からなる。

