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発生生物学:ヒト心臓形成の動態と21トリソミーにおけるその乱れ

Nature 658, 8138 doi: 10.1038/s41586-026-11125-y

発生の動態には、多様な細胞タイプの指定と、それらを多細胞ニッチへと空間的に組織化する過程が含まれる。今回我々は、単一細胞マルチオミクスと空間マルチオミクスを組み合わせ、発生過程にある心臓において21の異なる組織ニッチを定義した。これらを用いて、組織内の空間的な特徴を考慮した、解像度に依存しないニッチ分類ツールTissueTypistを開発した。発生過程にある洞房結節に高解像度の空間プロファイリングを適用することで、1つの軸に沿って配列する3つのペースメーカー細胞サブタイプを識別できた。静脈洞角や洞房結節頭部領域のペースメーカー細胞などの妊娠第1三半期の細胞亜集団は、神経誘引に関わる遺伝子発現プログラムを示し、Eph–エフリンやセマフォリン–プレキシンなどのシグナル伝達を介して、副交感神経ニューロンと相互作用していることが示唆された。時間的軌跡からは、心房心筋細胞と心室心筋細胞の成熟過程が描き出され、脂質代謝の切り替えと、細胞タイプのアイデンティティーを決める主要調節因子の候補が明らかになった。心室では、擬時間軸と心室壁を横断する軸の両方に沿う細胞レベルおよび遺伝子発現レベルの勾配が特定され、これによって心筋の緻密化と成熟に関する分子的知見が得られた。比較プロファイリングにより、21トリソミーの心臓では、正倍数性の心臓に比べて緻密層心筋細胞が減少し、アポトーシスが増加していることが明らかになった。この知見は、同一の遺伝的背景を持つ21トリソミーおよび正倍数性の誘導多能性幹(iPS)細胞由来心筋細胞を用いて検証された。こうした初期発生の乱れは、ダウン症候群に伴う先天性心疾患リスクの増大に寄与している可能性がある。まとめると、我々は、健常時および疾患時の発生ニッチを系統的に探索できるようにするための、ヒト心臓発生を空間的に捉える枠組みを提示している。

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