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微生物学:RSウイルスのFタンパク質の変異に対する制約と抗体による中和
Nature 658, 8137 doi: 10.1038/s41586-026-11030-4
呼吸器合胞体ウイルス(RSV)のFタンパク質を標的とする新しい抗体は、乳児の入院を大きく減少させた。しかし、ウイルスの耐性が懸念されている。ある抗体は耐性株の存在によって臨床試験で成功に至らず、最も広く使われている抗体であるニルセビマブに対する耐性変異も散発的に特定されている。本論文で我々は、RSVのFタンパク質の変異が抗体による中和にどのように影響を及ぼすのかを明らかにする。まず我々は、IgGの二価結合による緩衝作用と、サブタイプBに対するニルセビマブのFabのより低い中和能が組み合わさることで、この抗体に対する耐性がサブタイプA株よりもサブタイプB株でより多く見られるようになる仕組みを示す生物物理学的モデルを提示する。次に我々は、シュードウイルスを用いたディープ変異スキャニングを行い、Fタンパク質のほぼ全ての変異が、その細胞侵入機能と、ニルセビマブ、クレスロビマブおよびその他の複数の主要な抗体のIgG型とFab型による中和に及ぼす影響を、安全に測定した。我々はこれらの測定結果を用いて、RSV配列を用いた抗体耐性のリアルタイム監視を可能にし、耐性株は散発的に出現しているものの、現時点ではまれであることを示す。まとめると我々の研究は、Fabの中和能とエピトープ特異性が組み合わさって、ウイルス変異の抗体による中和への影響をどのように規定しているのかを示しており、また、公衆衛生上重要な抗体に耐性を持つ自然由来のRSV株の監視を可能にし、今後、ウイルスの免疫逃避の影響を受けにくい抗体を開発するための指針となり得る。

