免疫学:哺乳類の免疫におけるタンパク質をコードする機能的なキメラmRNA
Nature 658, 8137 doi: 10.1038/s41586-026-10982-x
哺乳類の個々のmRNAとタンパク質は通常、それぞれ単一のゲノム座位に由来し、アイソフォームの多様性はmRNA前駆体のシススプライシングによって生じると考えられている。離れた遺伝子に由来するmRNAが、トランススプライシングを受けて機能的意義を持つキメラ転写物を生成し得るかどうかは、これまで明らかではなかった。今回我々は、ロングリード直接RNA塩基配列解読と、標的を限定しない検証および標的を定めた検証を組み合わせたパイプラインを開発し、マクロファージにおけるキメラ転写物を見いだした。クロマチンコンホメーション捕捉法による研究から、炎症が染色体間のDNA相互作用を誘導し、2つの親遺伝子を互いに近接させることで、キメラmRNAの形成を促進することが明らかになった。特に注目すべきことに、我々はマウスにおいて、ポア形成タンパク質であるガスダーミンD(GSDMD)と、Tmem106aから通常と異なる読み枠で翻訳されるC末端ドメインとの融合タンパク質をコードするキメラmRNA(Gsdmd-Tmem106a)を特定した。インフラマソームのプライミングによりGsdmd-Tmem106aの発現が上昇し、このタンパク質は細胞膜に局在することが分かった。インフラマソームの活性化後、GSDMD-TMEM106AはカノニカルなGSDMDのN末端断片と直接相互作用し、ポア形成とIL-1β放出を加速および増強した。さらに我々は、GSDMD–TMEM106Aがin vivoで宿主防御と免疫病態のバランスを保つことを示す。つまり、その喪失は致死性敗血症に対して保護的に働いたが、細菌に対する防御を損なったのに対し、その過剰発現は宿主防御を増強すると同時に、敗血症の致死性を高めた。我々は、タンパク質をコードするキメラmRNAが、調節された転写物の融合事象によって形成され、炎症および免疫の過程で機能していることを明らかにした。

