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神経化学:マウス脳のリピドーム構造

Nature 658, 8134 doi: 10.1038/s41586-026-11050-0

脂質は脳の基本的な構成要素であり、シナプス伝達と信号伝播に不可欠である。脳の脂質組成の変化は、ありふれたものやまれなものまでさまざまな神経病態と関連しているが、哺乳類の脳リピドームの空間的な組織化については、他のモダリティーと比べて十分に特徴付けられていない。今回我々は、雌雄の成体マウスと妊娠中の成体マウスを対象に、脳の膜脂質構造をマイクロメートルスケールでマッピングした。得られた脳脂質アトラスによって、脂質が、機能解剖学的性質と対応する微細な生化学的構造を描き出すことが明らかになった。膜脂質の空間的不均一性は領域ごとにクラスター化されており、我々はこれを「リピゾーン(lipizone)」と名付けた。リピゾーンは、細胞タイプごとの分布領域を部分的に反映するが、遠位の軸索終末も捉える。我々は、リピゾーンを通じて、(1)接続性と細胞構築に関連する灰白質リピドームの組織化原理を発見し、(2)白質におけるオリゴデンドロサイトの不均一性の新たな軸を見いだし、(3)脈絡叢および脳室壁に生化学的ゾーニングを見いだした。我々は、このリピドーム構造が、変化する生理的ニーズに適応できることを示す。妊娠中の雌マウスの脳では、白質の代謝が活性化し、皮質にはリピゾーン特異的なリモデリングが生じ、これは特に第4層で顕著であった。これらの結果は、脳の発生・発達、生理、病理における脂質の理解を刷新する基盤的な情報資源となる(https://lbae-v2.epfl.ch/)。

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