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農業:ミシシッピ川流域における農地への石灰施用は炭素シンクとなる
Nature 658, 8134 doi: 10.1038/s41586-026-11040-2
農業における石灰施用として知られる耕地への炭酸塩鉱物の散布は、土壌の酸性化に対処するために長年行われてきた慣行である。石灰施用は作物収量を増加させる一方で、農業における二酸化炭素(CO2)排出源とも見なされている。今回我々は、ミシシッピ川流域の農業における石灰施用と人為起源の酸負荷の100年スケールの記録を用いて、農業における石灰施用が過去1世紀にわたって正味の炭素シンクとして機能してきたことを示す。河川のアルカリ度フラックスの記録は、1900年以降に施用された農業用石灰の理想的なCO2除去ポテンシャル(約0.44 GtCO2)の約90%が、土壌の陽イオン交換と溶質輸送に起因する10年スケールの時間的遅れを伴いながら、集水域の規模で実現されてきたことを示唆している。これらの結果は、土壌を通過する陽イオン量に関する反応輸送モデル化の結果と一致している。このモデル化は、土壌に蓄積した酸の中和に伴う初期のパルス状の排出を経た後に、正味のCO2除去が生じることを示している。現在の算定枠組みは、不完全な反実仮想を暗黙に適用しており、CO2排出を、CO2の放出を引き起こす人為起源の酸負荷ではなく、石灰施用に帰属させている。人為起源の酸負荷に関する反実仮想を基準として評価すると、農業における石灰施用は、10〜100年の時間スケールで、ミシシッピ川流域の正味の炭素シンクとなる。これらの結果は、土壌pHの管理を最適化することで、作物収量と土壌の健全性を同時に向上させながら、農業由来の温室効果ガス排出を削減できることを示唆している。

