タンデム太陽電池:三重接合太陽電池の欠陥パッシベーションと光学的管理
Nature 658, 8134 doi: 10.1038/s41586-026-11010-8
ペロブスカイト/ペロブスカイト/シリコン系の三重接合太陽電池は、単接合太陽電池のショックレー・クワイサー効率限界を超える低コストな手段として有望だが、その性能は、ワイドバンドギャップのペロブスカイトにおける非放射損失と多層積層構造全体にわたる光管理が最適でないことによって制約されている。今回我々は、ワイドバンドギャップペロブスカイト薄膜において表面欠陥を介した再結合を強く抑制するパッシベーション分子、2,2′-((ペルフルオロ-1,4-フェニレン)ビス(オキシ))ビス(エタン-1-アミニウム)ジブロミド(4F-POEABr)を提示する。4F-POEABrの、アンモニウム基が結合した電子不足の構造が化学的パッシベーションと電界効果パッシベーションの組み合わせをもたらし、これにより、ワイドバンドギャップサブセルにおいて1.53 eVの擬フェルミ準位分裂と1.413 Vの開回路電圧が可能になった。これと並行して、系統的な干渉管理を用いて、電流制限中間サブセルの電流密度が最適化され、適切に設計した酸化スズ/酸化インジウム亜鉛の2層構造を用いて0.5 mA cm−2の増加が得られた。その結果、この三重接合デバイスは、開口面積1.046 cm2で32.22%、同15.62 cm2で26.97%という認証定常状態電力変換効率を達成し、ヒステリシスは無視できるほどであった。ロバストな接続層と、巧みに設計されたペロブスカイト界面によって、動作安定性がさらに向上し、デバイス間のばらつきが低減した。本研究は、ペロブスカイト/シリコン三重接合太陽電池をそれらの理論効率限界へと近づけるための相乗的な戦略を実証するもので、これによりスケーラブルな高性能太陽光発電技術が可能になる。

