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進化学:カンブリア紀前期の、連室細管を有する最古の頭足類
Nature 658, 8134 doi: 10.1038/s41586-026-10868-y
現生の頭足類は、気体と液体で満たされた多室性の殻を祖先形質として持ち、その内部の隔壁を連室細管が貫くという点で、軟体動物の中で独特である。連室細管は、ジェット推進と共に、長期的な浮力調節を通じて、頭足類が遊泳性で主として捕食性の生活様式を営むことを可能にしている。しかし、最古の頭足類として認められているカンブリア紀後期のPlectronoceras cambriaと、頭足類が他の軟体動物から分岐した時期をカンブリア紀の前期とする分子時計の推定との間には大きな隔たりがあるため、この重要な新機軸の起源は依然として不明である。本研究で我々は、中国南部の水井沱累層(カンブリア紀ステージ3)から出土した、直錐形の殻を有する、ミリメートルサイズの頭足類の新属新種Eoceras shaanxienseを報告する。殻の内部には複数の隔壁があり、周縁部に位置する分節した管が、微細な管路を介して一連の隔壁をつないでいるように見える。この構造は、軟体部が、成長時に殻口方向へと移動して気室を順次形成しつつ、この管を通じて先に形成された気室とのつながりを維持していたことを示している。これらの特徴を総合すると、E. shaanxienseの分節した管は始原的な頭足類の連室細管の候補と見なされ、これにより、ステム群頭足類の既知の存在期間がカンブリア紀前期までさかのぼるとともに、浮力調節に用いられた多室性の房錐(気房)の進化的形成における初期段階が明らかになった。

