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素粒子物理学:捕捉された反陽子の道路輸送

Nature 657, 8133 doi: 10.1038/s41586-026-11019-z

超高真空のペニングトラップに閉じ込められた低エネルギー反陽子は、物質と反物質の間の基本的な対称性を検証するための、荷電共役変換–パリティ変換–時間反転(CPT)不変性の精密な研究を可能にする。こうした研究は、観測されている宇宙論的な物質–反物質非対称性を説明する取り組みなど、素粒子物理学の標準模型を超える物理学の探究によって牽引されている。これまで、そうした実験はCERNの反物質工場でのみ可能であった。捕捉反陽子の精密測定は、バリオンセクターで最も厳格な物質–反物質対称性の検証を可能にしているが、その感度は現在、この施設の稼働に伴う磁場のゆらぎによって制限されている。これを契機として、我々は、極低温で作動する開放型かつ可搬式のペニングトラップシステムBASE-STEPを開発した。このシステムは、反陽子を低雑音のオフライン実験室に移送するために設計されており、この戦略によってCPT検証の精度が少なくとも100倍向上すると期待される。今回我々は、BASE-STEPに捕捉した反陽子の道路輸送を実証する。92個の捕捉反陽子が、粒子の損失やトラップの真空度の測定可能な劣化なしに、7.5 kmの経路に沿って反物質工場の外へと輸送された。この成果は、専用の低雑音オフライン実験室環境における新時代の反陽子精密測定の出発点となる。

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