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がん幹細胞:ZFP36L2は再生やがんにおけるストレス適応性の可塑性を調整する
Nature 657, 8133 doi: 10.1038/s41586-026-10890-0
表現型可塑性はがんの特徴の1つである。しかし、細胞運命の再プログラム化に必要な分子スイッチについては十分に理解されていない。腸の創傷治癒と大腸がん(CRC)の転移の過程では、分化した細胞が腸幹細胞(ISC)状態へと動的に脱分化し、上皮再生と転移巣の増殖を駆動し得る。本論文で我々は、CRCの5〜10%で変異が認められるRNA結合タンパク質ZFP36L2が、ストレスに応答して動的な脱分化を調整する中心的な因子であることを示す。マウスの結腸再生モデルでは、ZFP36L2の欠損は、脱分化、ISCの遺伝子発現と機能を阻害し、腸の再生を障害した。ヒトCRCでは、ZFP36L2機能を喪失させると、転移播種とLGR5+のカノニカルな転移巣の増殖が阻止される一方、細胞系譜の可塑性と、不均一な細胞状態への非カノニカルな分化が促進された。機構的には、ZFP36L2はAUに富む3′非翻訳領域を持つストレス関連性mRNAに結合し、これによって、mRNA分解およびストレス応答の終息に関連する動的な生体分子凝縮体の形成が誘導される。まとめると我々のデータは、ZFP36L2がストレス感知と表現型可塑性を結び付ける重要な分子スイッチとして働くことを示している。この働きが、創傷治癒と転移の際にISC状態を再構築するために不可欠な細胞の脱分化を駆動する。ZFP36L2欠損CRCでは、転移巣の増殖過程でLGR5+状態へ再び戻れないことが、非カノニカルな細胞系譜可塑性を促進し、これが臨床転帰の不良と関連する。

