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有機化学:ホウ素環転位を介した連動型二部位転位

Nature 657, 8131 doi: 10.1038/s41586-026-10931-8

原子団の移動を伴う転位は基本的な化学変換である。転位反応は、科学的な好奇心や反応機構上の関心を超えて、遠隔反応部位や通常なら接近が困難な反応部位に対して、従来の合成方法論を補完する手法をもたらす。単一部位の転位については広く研究され、高度な位置選択性制御が可能になっているが、2つの遠隔部位を炭素鎖に沿って同時に転位させることは、まだほとんど調べられていない。これは主に、転位中心が2つあることで、化学選択性、位置選択性、ジアステレオ選択性の制御の複雑性が指数関数的に増大するからである。今回我々は、ボリナン環が炭素骨格に沿ってリードアンドフォロー様式で移動する、我々がボリナン転位(borinane rearrangement)と名付けた過程によって可能になる、連動型二部位転位の概念実証戦略を提示する。このホウ素環の転位は、最大8個の炭素原子にわたって進み、移動する2つの位置の両方で位置選択性とジアステレオ選択性を精密に制御できる。さらに、得られたホウ素環生成物は、(複素)環の分岐的合成およびイプシロン二官能基化(2つの官能基を互いに炭素原子4個分離れた場所に導入する反応)に用いる汎用性の高いシントンとして機能する。これにおり、(複素)環構築および多部位修飾の化学空間が、特に炭素鎖の中央領域において大きく拡張される。

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