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神経回路:母性攻撃行動の増進と減退を支える神経機構

Nature 654, 8120 doi: 10.1038/s41586-026-10354-5

母性攻撃行動は、授乳期の雌動物がその脆弱な幼若仔を保護する行動だが、分娩後速やかに発現することや、仔の喪失後ただちに低下することに詳細な理解はされていない。今回の研究で我々は、アルファ型エストロゲン受容体を発現する後方扁桃体細胞(PAEsr1)から2型神経ペプチドY受容体を発現する視床下部腹内側核の腹外側部細胞(VMHvlNpy2r)への経路が、母性攻撃行動の増進と減退に重要な役割を持つことを明らかにした。投射路特異的な遺伝子操作と神経活動記録から、VMHvlに投射するPAEsr1細胞が、自由行動下での攻撃中に活性化していること、そしてこの細胞が母性攻撃行動に必要なことが分かった。授乳期にPAからVMHvlNpy2rへのシナプスは強化され、VMHvlNpy2r細胞の興奮性が高まって攻撃行動の亢進が可能になる。PAEsr1ニューロンはオキシトシン受容体を豊富に発現しており、オキシトシンによるPA出力を増強している。仔の除去によってオキシトシンのレベルが下がるとPAの活動は低下して母性攻撃行動も減退するが、その減退は仔との再会または光遺伝学的なオキシトシン増加によって回復する。今回の知見で、PAEsr1からVMHvlNpy2rという特定の回路に複数形式の可塑性があり、それらが集合的に母性攻撃行動の適応的で必要に応じた制御を行っていることが明らかになった。

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