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光物理学:共振器を用いたX線源のレーザー発振

Nature 650, 8100 doi: 10.1038/s41586-025-10025-x

レーザーの発明は、可視領域における強力でコヒーレントな光を提供することによって光学技術を一変させたが、この概念をX線領域に拡張しようとする試みは、適切な利得媒質とミラーがないことによって阻まれてきた。現在の硬X線自由電子レーザー(XFEL)施設は、長いアンジュレーターを1回通過する間に、自己増幅自然放出によって高ピーク電流の電子バンチからのショット雑音を増幅することによって、この問題を克服し、非常に高い輝度を実現しているものの、その時間的・スペクトル的プロファイルは雑音が多く、複数のスパイクを有する。このギャップを埋めるべく、高繰り返しレートの電子ビームに同期させたブラッグ反射共振器内で、スペクトル的に濾波されたX線パルスを再周回させる共振器型XFEL(CBXFEL)が提案されている。今回我々は、欧州XFELにおいて、超電導加速器の2.23 MHzのバンチ間隔に整合させた、ダイヤモンドを用いた往復132.8 mのブラッグ共振器で、6.952 keVでのマルチパス利得によるレーザー発振を実現したことを示す。長さと角度の安定性の厳密な要件下で、連続するバンチにわたって共振器内のリングアップが観測され、スペクトル純度の高いマイクロジュールレベルのパルスが生成された。これは、加速器環境におけるCBXFELの実現可能性を確立するとともに、X線共振器に対するダイヤモンドブラッグ光学系の有効性を実証するものである。今回実証されたスペクトル純度は、高度にコヒーレントで安定な線源が求められる次世代X線科学への道を開く。

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