Review
神経学的疾患:アルツハイマー病および他の神経変性認知症における生体液バイオマーカー
Nature 650, 8100 doi: 10.1038/s41586-025-10018-w
生体液ベースのバイオマーカーは、神経変性疾患の研究とケアを変革し、アルツハイマー病(AD)や他の神経変性認知症の分子基盤についての手掛かりをもたらしている。本総説で我々は、アミロイドβ(Aβ)病変、タウ病変、神経変性、グリア反応性、αシヌクレイン病変、TDP-43(TAR DNA-binding protein 43)病変、シナプス病態生理、脳血管疾患など、神経変性認知症に全て関連する病変および過程の生体液ベースのバイオマーカーにおける最近の進展について最新情報を提供する。長年用いられてきた脳脊髄液アッセイを補完する改良型技術により、現在では神経変性による脳の変化に関連する分子を、血中から非常に低い濃度で検出できるようになった。これにより、ヘルスケアにおいて神経変性疾患の疑いのある症例の臨床評価を、分子表現型バイオマーカーを用いて補完できるようになり、これは、臨床症状と脳内で進行中の病態生理学的過程を結び付け、分子標的療法の開始やモニタリングのために患者を専門医に紹介する方法の改善に役立つと期待される。ADにおけるAβ病変に対処するための抗Aβモノクローナル抗体の使用といった臨床的に重要なブレイクスルーは、この分野が分子的情報に基づく予防と治療に向かってどれほど前進したかを示す重要な概念実証例となる。本総説では、現在用いられている最も確立された生体液ベースのバイオマーカーについて概説し、臨床現場でのそれらの解釈と実装に関する実践的な指針を提示する。

