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エネルギー科学:最小限の実験で電池のサイクル寿命を予測するDiscovery Learning

Nature 650, 8100 doi: 10.1038/s41586-025-09951-7

電池などの複雑な物理系における新しい設計の迅速かつ信頼性の高い検証は、技術革新を加速するのに不可欠である。しかし、電池の開発では、新しい設計の寿命の評価に高い時間コストとエネルギーコストを要することが、いまだボトルネックとなっている。特に、既存の寿命予測方法は、精度を高めるために目的の設計の電池寿命ラベルを含むデータセットが必要であり、試作前に信頼性の高い予測ができないため、迅速なフィードバックが制限されている。今回我々は、教育心理学から着想を得て、能動的学習、物理に基づく学習、ゼロショット学習を、人間のような推論ループに組み込んだ科学的機械学習手法Discovery Learningを提示する。Discovery Learningは、過去の電池設計から学習し、試作の必要性を削減できるため、最小限の実験結果から新しい設計の寿命を予測することができる。我々は、Discovery Learningを検証するために、多様な材料と設計の組み合わせやサイクル試験プロトコルを含む、123個の大型リチウムイオンパウチセルからなる産業グレードの電池のデータを提示する。我々のものとは異なるセル設計の公開データセットで訓練したDiscovery Learningは、セル試作品の51%の最初の50サイクルから物理的特徴を用いてサイクル寿命を予測する際、7.2%のテスト誤差を達成した。控えめに見積もっても、これは従来の慣行と比較して時間で98%、エネルギーで95%の節約をもたらす。Discovery Learningは、正確で効率的な電池寿命予測における重要な進展であり、より広く見れば、機械学習が科学的発見を加速するという約束の実現を助けるものとなる。

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