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発生生物学:ヒト腸のM細胞は樹状細胞に類似しており、グルテン抗原を提示する
Nature 650, 8100 doi: 10.1038/s41586-025-09829-8
マイクロフォールド(M)細胞は、パイエル板の濾胞関連上皮に存在する希少な腸管上皮細胞である。M細胞は、管腔内の抗原を粘膜下の抗原提示細胞へ輸送する。これらの知見は主に透過型電子顕微鏡と遺伝的改変マウスを用いた研究から得られている。今回我々は、ヒトM細胞を研究するための腸管オルガノイドモデルを確立し、トランスクリプトームプロファイリングによりM細胞の分化経路を再構築した。その結果、ヒトM細胞は、管腔内の抗原輸送を促進するだけでなく、クラスII主要組織適合遺伝子複合体(MHC-II)を介して抗原を直接提示することが示された。注目すべきことに、関連する腸細胞は慢性炎症状態でしかMHC-IIを発現せず、典型的な樹状細胞マーカーを発現しない。ヒトM細胞は、生理的に樹状細胞に類似した遺伝子プロファイルを発現する。樹状細胞と同様に、M細胞の発生はRANKLとCSF2によって誘導され、転写因子SPIBおよびRUNX2を必要とする。HLA-DQ2.5 M細胞はグルテン抗原を処理して提示することが、オルガノイドとT細胞の共培養アッセイで実証された。これらの知見は、M細胞がセリアック病において中心的な役割を担っている可能性を示唆している。

