Review
物性物理学:交替磁性の対称性の特徴、顕微鏡学的特徴および分光学的特徴
Nature 649, 8098 doi: 10.1038/s41586-025-09883-2
交替磁性の最近の発見は、一部には、高度にスケーラブルなスピントロニクス技術に向けた補償磁性体の研究に動機付けられたものだった。同時に、交替磁性は、過去数十年にわたり研究の最前線となっている非従来型超流動相と、秩序化における異方的高次部分波の性質を共有している。こうした例は、交替磁性が、幅広い科学技術的観点から関心を集めていることを示している。本論文で我々は、交替磁性の対称性の特徴、顕微鏡学的特徴および分光学的特徴について概説する。我々は、交替磁性を、d波、g波またはi波型の補償共線スピン秩序を有する物質の別個の相として記述する、自発的に破れた対称性と保持された対称性について説明する。弱く相互作用する金属から強相関絶縁体に至る材料では、微視的結晶構造での交替磁性対称性の実現は、原子スケールのスピン密度の異方的高次部分波成分の特異的なフェロイック秩序を特徴とする。交替磁性のこうした対称性の特徴と顕微鏡学的特徴は、スピン依存性の電子スペクトルと応答に直接反映される。我々は、交替磁性秩序に起因する、そして、交替磁性とスピン–軌道結合やトポロジカルな現象との相互作用に起因する、顕著なバンド構造の特徴を概説する。全体を通じて、我々は交替磁性を、従来の強磁性やネール反強磁性、そして、対称性によって保護された補償非共線スピン秩序を有する磁性相と比較する。また、一連の理論的考察はそれぞれ関連する実験を参照している。

