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社会科学:メタ解析ではウェルビーイングやメンタルヘルスに対する経済的不平等の効果は認められない

Nature 649, 8098 doi: 10.1038/s41586-025-09797-z

経済的不平等への曝露は、主観的なウェルビーイングやメンタルヘルスを損ない、重要な社会的影響があると広く考えられている。しかし、既存の研究は再現性の問題に直面しており、理論的には、不平等は不利な状況にある個人にのみ影響を及ぼすと示唆されている。本論文で我々は、10の書誌データベース(2000〜2022年)から得られたマルチレベルデータ(3万8335の地理的単位からの1138万9871人の参加者)を用いた168件の研究のメタ解析について報告する。一般的な説に反して、ランダム効果モデルでは、より不平等な地域の個人が報告する主観的ウェルビーイングがより低いわけではない(標準化オッズ比〔OR+0.05〕 = 0.979、95%信頼区間 = 0.951〜1.008)ことが明らかになった。さらに、不平等は当初、メンタルヘルスを損なうように見えたものの、出版バイアス補正後の関連は認められなかった(OR+0.05 = 1.019;0.990〜1.049)。メタ解析効果は、該当の最小効果よりも小さく、仕様曲線解析では、768の代替モデルの約95%でこれらの結果が確認された。ROBINS-EとGRADEの基準を用いて研究の質と証拠の確実性を評価すると、ROBINS-Eは80%の研究をバイアスのリスクが高いと評価し、GRADEは、負の効果よりも効果無しに対してより高い確実性を付与した。メタ回帰分析では、不平等とメンタルヘルスの負な関連は、低所得の標本に限られることが明らかになった。さらに、機械学習解析では、ウェルビーイングとの関連は高インフレ状況では負であったが、低インフレ状況では正であったことが明らかになった。これらの緩和効果は、ギャラップの世論調査のデータ(参加者は最大200万人)を用いて再現された。これらの知見は、経済的不平等が心理的健康に対して普遍的に害になるという見解に疑問を投げ掛け、公衆衛生政策に役立つ情報となる。

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