微生物学:デンマークの環境マイクロバイオームについてのMicroflora Danicaアトラス
Nature 649, 8098 doi: 10.1038/s41586-025-09794-2
過去20年にわたって、自然の環境とヒトが関わる環境での過程を支えるマイクロバイオームの解明はかなりの進歩を遂げてきた。最近の大規模メタゲノム研究では、海洋、ヒトの腸、地球上のさまざまな微生物の多様性が記録されており、数千の公開データセットがまとめられている。しかし、これらの研究は、広範に及ぶにもかかわらず、機能情報が欠けていることが多く、また試料採取地点の分布がしばしばまばらであったり、分解能が限られていたり、メタデータが欠如していたりする。今回我々は、デンマークの環境マイクロバイオームのアトラスであるMicroflora Danicaについて報告する。このアトラスには、1万683のショットガンメタゲノムと450のほぼ完全長16Sおよび18S rRNAのデータセットが含まれ、5つのレベルの生息地分類体系に結び付けられている。我々は、ヒトによって撹乱された生息地は、アルファ多様性が高いが、種が再出現することが分かり、これによって隠れた均質性が明らかになることを示す。これは、全体的な種の(ガンマ)多様性を維持する自然の系の役割を明示しており、土地利用や気候変動に対する微生物の応答を追跡するための国家レベルのベースラインの必要性を強調している。そこで、我々のデータセットの探索では硝化菌に重点を置いた。硝化菌は、気候変動と密接に関連していて、デンマークの主要な土地利用法である農業にとって非常に重要な機能的生物群である。我々は、硝化菌の主要遺伝子をコードする複数の系統を特定し、土地撹乱が、よく研究された硝化菌群だけでなく、未解明の硝化菌群の存在量に及ぼす影響を明らかにした。これらの結果は、N2O排出に関係してくる可能性がある。Microflora Danicaは、微生物の多様性、分布、および機能を駆動する要因に関する、微生物生態学上の根本的な諸疑問に取り組むための比類なき情報資源となる。

