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化学:小分子およびポリフルオロアルキル化合物における光触媒的C–F結合活性化

Nature 637, 8046 doi: 10.1038/s41586-024-08327-7

有機ハロゲン化物は、化学合成において非常に有用な化合物である。そうした合成では、ハロゲン化物は、遷移金属や光触媒作用を用いる脱離反応、置換反応、クロスカップリング反応向けの汎用的官能基として機能する。しかし、最も商業的に豊富な有機ハロゲン化物であり、ポリフルオロアルキル化合物(PFAS)すなわち「永遠の化学物質」に見られる炭素–フッ素(C–F)結合の活性化は、はるかにまれである。光酸化還元化学に基づく現行の小分子C–F結合の活性化方法は、必要となる基質や遷移金属触媒によって制限されている。有機フッ素を直接活性化する一般的な方法は、有機化学や環境化学において大きな価値を持つと考えられる。今回我々は、C–F結合を効率的に還元して炭素中心ラジカルを形成でき、次いでそのラジカルを、脱フッ素水素化(FをHに置換)やクロスカップリング反応に使えるようにする、有機光酸化還元触媒系を報告する。この系は、温和な反応条件下で、有機フッ素をシントンとして一般利用することを可能にする。我々は、残留して環境に悪影響を及ぼす「永遠の化学物質」における重要課題である、PFASやフッ素化ポリマーの脱フッ素化に、この方法を拡張した。

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