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強誘電体:ウルツ鉱ヘテロ構造における近接強誘電性

Nature 637, 8046 doi: 10.1038/s41586-024-08295-y

近接強誘電性は、非強誘電性極性材料において電場駆動される分極反転の界面関連現象であり、1つ以上の隣接する強誘電材料によって誘起される。今回我々は、ウルツ鉱型強誘電体ヘテロ構造における近接強誘電性を報告する。今回の場合、非強誘電体層は、AlNとZnOである一方、強誘電体層は、Al1−xBxN、Al1−xScxN、Zn1−xMgxOである。層構造には、窒化物–窒化物、酸化物–酸化物、窒化物–酸化物の積層が含まれ、これらは2層(非対称)および3層(対称)配置を特徴としている。両層における強誘電体スイッチングが、分極ヒステリシス、異方性化学エッチング、第二高調波発生、ピエゾ応答力顕微鏡、電気機械試験、そして走査型透過電子顕微鏡による実空間での原子分解能分極配向イメージングなど、マルチモーダルな特性評価法によって検証された。我々は、反極性核を強誘電体層内で発生させて内部の非強誘電体界面に向かって伝播させるという物理的スイッチングモデルを提示する。ドメイン壁の前縁は、近接した界面を越えて広がる弾性場と電場を生成して、非強誘電体層におけるスイッチング障壁を減少させ、絶縁破壊を伴わない完全なドメイン伝播を可能にする。このモデルは、多形エネルギー、反転障壁、ドメイン壁エネルギーの密度汎関数理論による計算によって裏付けられた。近接強誘電性は、元素置換に伴う化学的あるいは構造的な乱れを伴わずに、ウルツ鉱における分極反転を可能にするものであり、界面を用いた強誘電性に関する新たな疑問と可能性を開く。

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