がん:H3K27M陽性びまん性正中グリオーマのための静脈内・頭蓋内GD2-CAR T細胞療法
Nature 637, 8046 doi: 10.1038/s41586-024-08171-9
H3K27M変異型のびまん性正中グリオーマ(DMG)は、ジシアロガングリオシドGD2を高発現している。GD2を標的とするキメラ抗原受容体改変T細胞(GD2-CART)は前臨床モデルにおいてDMGを消失させた。第I相試験(治験番号NCT04196413)のA群では、H3K27M変異型のびまん性橋グリオーマ(DIPG)や脊髄DMG(sDMG)の患者に対して、リンパ球除去化学療法後に2つの用量(DL1:1 × 106 kg−1、DL2:3 × 106 kg−1)で自家のGD2-CARTの単回静脈内(IV)投与を行った。臨床的あるいは画像的に有効性が示された患者を、その後の脳室内(ICV)頭蓋内注入(10〜30 × 106 GD2-CART)の適格者とした。主要評価項目は、製造実行可能性、忍容性およびIVの最大耐用量の特定であった。副次評価項目は有効性の予備的評価であった。13人の患者が登録され、11人が治験でIV GD2-CARTを受けた(n = 3 DL1〔3 DIPG〕;n = 8 DL2〔6 DIPG、2 sDMG〕)。GD2-CARTの製造は全ての患者で成功した。DL1で用量制限毒性は起こらなかったが、DL2では3人の患者が用量制限のサイトカイン放出症候群を経験し、DL1がIVの最大耐量であることが明らかになった。9人の患者がICV投与を受け、用量制限毒性は認められなかった。全ての患者で腫瘍炎症に関連する神経毒性が見られたが、厳重な監視と集中治療によって安全に管理された。4人の患者で、高い腫瘍体積減少率が見られ(52、54、91、100%)、別の3人の患者ではそれより低い率で腫瘍体積が減少した。1人の患者は登録から30カ月以上にわたり、完全奏効が継続している。プロトコルに従った臨床改善スコアを測定したところ、9人の患者で神経学的な有効性が実証された。GD2-CARTのIV投与後に連続してICV投与することで、DIPG患者やsDMG患者で腫瘍退縮や神経学的改善がもたらされた。

