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電気化学:ワイヤレス電解合成向けの光捕集マイクロ電子デバイス
Nature 637, 8045 doi: 10.1038/s41586-024-08373-1
高スループット実験(HTE)は、反応開発や創薬において学術的な化学研究や工業的な化学研究を加速するとともに、多くの有機化学分野で広く応用されてきた。しかし、化学合成の実現手段である電解合成へのHTEの適用は、適切な標準反応装置が不足しているため制限されている。今回我々は、標準的なナノファブリケーション法で作製されるマイクロ電子デバイスを開発し、マイクロリットルスケールのワイヤレス電解合成を可能にしたことを報告する。このロバストかつ安価なデバイスは、可視光によって駆動され、従来のいかなる96ウェルまたは384ウェルのプレートをも電気化学的反応装置に転換する。我々は、このデバイスを、酸化的電解、還元的電解、ペアード電解において立証し、さらにそれらを適用して、生物活性化合物のライブラリー合成を実現するとともに2種類の電解合成方法の開発を加速させた。電気化学反応を行う方法を簡素化することによって、このユーザーフレンドリーな解決策が現在の実務者の経験と効率を向上させるだけでなく、非専門家が電解合成分野に参入する障壁を大きく低減させ、ひいてはより広い合成化学者コミュニティーが、電気化学によって可能になる新しい反応性や合成戦略を研究しその恩恵を受けると、我々は予想する。

