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エネルギー科学:耐久性リチウム金属電池向けのLi2ZrF6系電解質
Nature 637, 8045 doi: 10.1038/s41586-024-08294-z
リチウム(Li)金属電池(LMB)は、高エネルギー密度の充電式電池に有望である。しかし、高活性Liと非水電解質の反応によって形成されるLiデンドライトは、安全上の懸念と急速な容量低下につながる。高信頼性固体電解質界面相の開発は、高レートで長寿命のLMBの実現に不可欠であるが、依然として技術的に困難である。今回我々は、市販のLiPF6を含んだLMB用炭酸塩電解質に過剰のm-Li2ZrF6(単斜晶)ナノ粒子を加えると、印加電圧によって駆動される電解質への豊富なZrF62−イオン放出が促進され、t-Li2ZrF6(三方晶)に変換されて、高Liイオン伝導率を示す安定な固体電解質界面相がin situで形成されることを実証する。計算研究と低温透過型電子顕微鏡研究から、t-Li2ZrF6リッチな固体–電解質界面相のin situ形成によって、Liイオン移動が著しく促進され、Liデンドライトの成長が抑制されることが明らかになった。その結果、LiFePO4正極(面積負荷1.8/2.2 mAh cm−2)と三次元Li–炭素負極(Liの厚さ50 μm)とLi2ZrF6系電解質を用いて組み立てたLMBは、3000サイクル(1C/2Cレート)後に大容量(80.0%を超える)を保持し、サイクル安定性の大きな向上を示した。この成果は、極めて優れた性能であることを意味しており、従って、実用的な高レート条件下で高耐久LMB向け高信頼性Li2ZrF6系電解質がもたらされる。

